医師と聞くと、普通の生活をしている人たちには手が出せないような車に乗っていたり、身につけている服がブランドで固められていたりと、まったく想像もつかないほどの高収入であるように思えます。しかし、歯医者になるためには、大学の歯学部に入学しなければなりません。国公立でも卒業までには500万円ほどかかるといわれますが、国公立より多いといわれる私立大学の歯学部に入学するとなると卒業までに最低でも3000万円以上はかかるといわれています。
つまり歯科医師になるためにはその家庭も裕福でなければならないのです。国家試験を受けて合格するとまず一年以上は大学病院などで研修医としての勤務となります。この時期は研修医ということもあって、収入は月10~20万円程度、ボーナスなどはありません。つまり、この1年間は通常のサラリーマンよりも収入が低いことになります。1年が終わると自分で勤務先を選んで働くことが出来ますが、歯医者の場合は開業する人が多いです。開業するまでに研修中にある程度貯金が出来ればいいのですが、出来なかった場合、借金や家族などからお金を借りて歯医者を作ることになります。しかし、開業して1年未満のころは、まだ周囲にも知られていませんし、どういった治療方針なのかもわからないので患者さんも恐る恐る通院することになります。
開業して1年くらいは研修医時代と差ほど収入は変わらないと考えていいでしょう。3年以上たつと患者さんに人気のある病院は月収50万円くらいは稼ぐことができるようになります。しかし、それはあくまでもサービスや腕がよくて人気のある病院の場合。お客が少ない病院は経営が成り立たず、歯医者を辞めなくてはいけない事態のところもあります。いくら腕がよくて収入が多くても、医師になるまで似かかった金額や開業するために背負った借金などを返していくと、そんなに高収入というわけでもないのです。